東北大学 国際集積エレクトロニクス研究開発センター

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低炭素社会を実現する次世代パワーエレクトロニクスプロジェクト
(GaNパワーデバイス等の実用化加速技術開発)

  • 末光 哲也 プロジェクト
    リーダー
    末光 哲也 教授

 本研究プロジェクトでは、来たるべき第5世代移動体通信システム(5G)への応用に資するべく、窒化ガリウム(GaN)半導体を用いた高電子移動度トランジスタ(HEMT)の更なる高速・高周波化を目指 します。その手段として、窒素極性GaN結晶に着目します。
 これまで開発されたGaN HEMT のほとんどは、ガリウム極性GaN結晶を用いており、その構造は、最表面にバリア層となるAlGaNが配置されます。キャリア電子はバリア層越しに表面の電極に接続されるため、オン抵抗を上げる要因となります。
 窒素極性GaN 結晶では、表面からGaNチャネル層、AlGaNバリア層の順に配置したときにキャリア電子が発生し、しかもそれが表面のGaNチャネル層に位置するため、電極への接続が低抵抗で実現でき、また、ゲート電極によるキャリア密度制御も効率的に行えるため、高いデバイス特性を実現することが期待できます。
 2017年度より始まったこのプロジェクトは、住友電気工業が研究代表機関となり、東北大学の他、東京工業大学と情報通信研究機構が参画しています。

ガリウム極性HEMT(左)と窒素極性HEMT(右)の断面構造

ガリウム極性HEMT(左)と窒素極性HEMT(右)の断面構造