センター概要
センター長挨拶

東北大学
国際集積エレクトロニクス
研究開発センター
センター長 遠藤 哲郎
集積エレクトロニクスは、あらゆる産業製品や社会基盤に活用され、我々の生活の質を決定する技術です。カーボンニュートラルやAI/IoT/DX実現という社会ニーズに対し、飛躍的な省電力動作を実現できる革新的集積エレクトロニクスシステムが求められています。
国際集積エレクトロニクス研究開発センター(CIES)は、多様な国内外の企業、そして地方公共団体と連携して、材料・デバイス・集積化技術・回路・アーキテクチャ・システムなど、産学共同研究、大型国家プロジェクト、地域連携プロジェクトからなるCIESコンソーシアムを運営して参りました。研究開発分野を従来のスピントロニクスから、AIハードウェア、パワーエレクトロニクスに拡充して、集積エレクトロニクス技術に係るコア技術の研究開発を推進しております。これまでに、世界最高性能となる多様な革新的技術の開発に成功し、超低消費電力が要求されるIoT/AIシステムへの展開をして参りました。加えて、東北大学発スタートアップ「パワースピン株式会社」と連携し、開発技術群の社会実装への展開と、更なる産学連携の高度化も加速させております。本年は、NEDO「省エネAI半導体及びシステム基盤強化研究開発事業」の成果でCEATEC AWARD2024や、超小型両面冷却パワーモジュール開発の成果でNEパワー・エレクトロニクス・アワード2024最優秀賞を受賞することもできました。
近年、我が国と諸外国において半導体戦略に基づく様々な半導体事業が展開されており、研究開発から人材育成の高度化が求められています。加えて、2024年11月に、本学は国際卓越研究大学として認定され、「世界に変化をもたらす研究展開(社会的インパクト)」が目標の一つに設定されています。これらの国内外の動きの中で、半導体分野で活動している本センターの責務は格段に高まっていると認識しております。このような社会情勢の要請を受けて、本センターにおいても、研究開発活動に加えて、半導体人材育成の取り組みも始めております。具体的には、文部科学省の次世代X-nics半導体創生拠点形成事業「スピントロニクス融合半導体創出拠点」では、国内の14大学と連携しながら高度人材育成に取り組んでおります。加えて、G7広島サミットにおいて締結された日米大学間パートナーシップ(UPWARDS for the Future)の下、産業界と日米大学の連携により、革新的な半導体の研究開発、製造、サプライチェーン、人材育成に本センターも取り組んでいるところです。さらに、2024年4月に東北半導体エレクトロニクスデザインコンソーシアム(T-Seeds)が発足し、顧問を拝命しました。産業界・大学や高専・行政などの関係機関と連携しながら、我が国の半導体関連産業の人材の裾野拡大や基盤強化・発展に本センターも取り組んで参ります。
これらの活動を通じて、地元宮城県の発展、カーボンニュートラルな社会の実現、そして経済成長と経済安全保障の確保に寄与して参る所存です。
ここまで、本センターが発展して参りましたのも、多くの皆様の継続的なご支援、ご協力によるものです。心からお礼を申し上げますと共に、引き続きのご支援をお願い申し上げます。
令和7年3月